「膝が痛いのは膝だけの問題」「腰が痛いのは腰が悪いから」
…ついそう思いがちですが、実は体の不調は“その場所だけ”が原因とは限りません。
私たちの体は、骨・関節・筋肉がつながり合い、ひとつの動きとして協力しあっています。このつながりを専門的に 「運動連鎖(キネマティックチェーン)」 と呼びます。
体の動きはドミノ倒しのように伝わる
例えば「歩く」という動作を考えてみましょう。
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足首が曲がる
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膝が曲がる・伸びる
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股関節が動く
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骨盤や腰が回旋する
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それに合わせて上半身や腕が振られる
このように、体のある部分の動きは、次の関節や筋肉へと順番に伝わっていきます。まるでドミノ倒しのように「連鎖」しているのです。
開放運動連鎖と閉鎖運動連鎖
動作連鎖には2つのパターンがあります。
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開放運動連鎖(OKC)
手や足が空中にある動き。
→ 例:足をぶらぶらさせる、膝を伸ばす運動。
→ 特定の筋肉を鍛えたりリハビリに向いています。 -
閉鎖運動連鎖(CKC)
手や足が床や壁に固定されている動き。
→ 例:スクワット、腕立て伏せ、階段の上り下り。
→ 複数の関節が協力して、日常動作に直結します。
なぜ運動連鎖が大切なの?
もし「どこかの関節の動きが硬い」「さぼって働かない筋肉がある」と、その負担は他の部位にしわ寄せされます。
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膝の痛み → 実は股関節や足首の動きが悪いせい
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腰の痛み → 骨盤や肩甲骨の連動不足が原因
このように、“痛みが出ている場所”と“本当の原因”が違うことは珍しくありません。
膝の痛みと運動連鎖
膝に痛みがある方の場合、
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足首が硬くてうまく曲がらない
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股関節が動かずに太もも前ばかり使っている
といった理由で、膝に負担が集中しているケースが多いです。
つまり、膝そのものをケアするだけでなく、「体全体の連鎖を整える」ことが改善の近道になるのです。
まとめ
動作連鎖とは、体の動きがつながって伝わる仕組みのこと。
一部分だけでなく全体を見直すことで、本来のスムーズな動きが戻り、痛みの改善や予防につながります。
もし「いろいろ試したけど膝の痛みがよくならない」「腰がずっと重い」という方は、体の連鎖を意識したケアを取り入れてみてください。
ななつほし整体院では、この「運動連鎖」を重視した施術とセルフケア指導を行っています。
部分的なアプローチだけでなく、全身のつながりを整えることで、根本的な改善を目指します。
膝や腰の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。