上腕二頭筋長頭腱炎の痛みを和らげ、再発を防ぐには、肩周囲の筋肉バランスを整えることが大切です。
ここでは過労筋を緩めるストレッチと、さぼり筋を目覚めさせるエクササイズを中心に紹介します。

1. 過労筋を緩めるストレッチ

肩前面のストレッチ（胸・上腕前面）

1. ドアの枠や壁に手を置く

2. 肘を軽く曲げて、肩を後ろに引く

3. 胸と肩の前側が伸びるのを意識して20〜30秒キープ

4. 反対側も同様に

※痛みが強い場合は無理せず軽めに。

上腕二頭筋ストレッチ

1. 腕を横に伸ばし、手のひらを上に向ける

2. ゆっくり後方に腕を引く

3. 上腕前面の腱を伸ばす感覚を意識して20秒キープ

4. 2〜3セット行う

2. さぼり筋を活性化するエクササイズ

肩甲骨下制・外旋エクササイズ（肩甲骨安定）

1. タオルを肩幅に持つ

2. 肘を90°に曲げ、肩甲骨を背中に寄せるように下げる

3. ゆっくり元に戻す

4. 10〜15回 × 2セット

→肩甲骨周囲の筋肉（僧帽筋下部・菱形筋）を刺激して肩安定性アップ

外旋運動（インナーマッスル活性化）

1. 軽いチューブやペットボトルを持つ

2. 肘を体側に固定して、前腕を外側に開く

3. ゆっくり戻す

4. 10〜15回 × 2セット

→ローテーターカフ（肩のインナーマッスル）を鍛え、肩前面の負担を軽減

3. 相反神経支配を意識した動き

肩の屈曲・外旋・内旋に合わせて、拮抗筋がスムーズに切り替わる動きを取り入れます。

• 腕を前に上げる → 肩甲骨下制

• 腕を横に開く → 肩甲骨外旋

• 腕を下ろす → 肩甲骨リラックス

この動作をゆっくり10回繰り返すだけでも、肩周囲の筋肉の切り替えが改善します。

4. 日常でできるケアポイント

• 長時間同じ姿勢にならない（PC作業中は1時間ごとに肩回し）

• 腕を前に出す作業は、肩甲骨を意識して動かす

• 夜間痛が出る場合は、枕の高さや腕の位置を調整

まとめ

• 過労筋を緩め、さぼり筋を目覚めさせることが上腕二頭筋長頭腱炎改善のカギ

• 相反神経支配のバランスを意識した動きで肩関節をスムーズに

• 無理のない範囲で毎日少しずつ行うことが効果的

痛みが強い場合やセルフケアで改善が見られない場合は、早めに専門家の整体で肩関節全体のバランスをチェックすることをおすすめします。