殿筋下部の働きと「膝の痛み」の関わり ― セルフケア・運動連鎖・姿勢から読み解く“下半身の使い方” ―

こんにちは。

浦和の「浦和ななつほし整体院」です。
今回は、日常の動作に深く関わる**殿筋下部(お尻の下側の筋群)**と、
そこから波及しやすい「膝の痛み」との関係について、
できるだけ分かりやすくまとめました。

殿筋下部はあまり聞き慣れない名称ですが、
股関節を安定させ、歩く・立つ・しゃがむ・階段を上り下りする際に
重要な働きを担うため、筋力低下や使いすぎ(過労)によって
膝に負担が集中しやすくなることがあります。

本記事では、

  • 殿筋下部の働き

  • 筋力低下と膝の痛みの関係

  • さぼり筋・過労筋の概念

  • 相反神経抑制と運動連鎖

  • 姿勢との関わり

  • セルフケア(図なしでもわかる)

  • 浦和ななつほし整体院で大切にしているアプローチ

を、専門的になりすぎないよう噛み砕いて解説します。

■ 1. 殿筋下部とは?

殿筋(お尻の筋肉)は大きく

  • 大殿筋

  • 中殿筋

  • 小殿筋

  • 深層外旋六筋(梨状筋など)
    に分けられます。

ここでいう殿筋下部とは、一般的には

  • 大殿筋の下部線維

  • 外旋筋群(深層の6つの筋)
    といった、股関節の後方〜下部を支える筋群を総称的に指すことが多い領域です。

▼ 殿筋下部の主な働き

  1. 股関節の伸展(脚を後ろに引く)

  2. 股関節の外旋(つま先が外側に向く動き)

  3. 股関節の安定化(立位・歩行時のブレを防ぐ)

  4. 骨盤と大腿骨の位置を整える

特に、股関節の安定に大きく関わり、
歩く際の「後ろ脚の蹴り出し」や、立ち姿勢の骨盤の傾きにも影響を与えます。

■ 2. 殿筋下部の筋力低下が、なぜ膝の痛みに影響するのか?

殿筋下部が弱くなると、股関節を支える力が落ちます。
股関節が不安定になると、大腿骨(太ももの骨)が内側に入ったり、
膝がねじれたり、荷重ラインが崩れたりといったことが起こります。

これが膝の負担を増やし、痛みや違和感につながることがあります。

▼ よくある動きの乱れパターン

  • 歩行時、骨盤が左右に揺れやすい

  • 膝が内側に入りやすい(Knee-in

  • しゃがむと膝が前に出すぎる

  • 立つときに太もも前側ばかり使う

  • 階段で膝に負担を感じる

これらの動作は、殿筋下部の“働きづらさ”のサインである場合があります。

▼ なぜ膝に負担が?

殿筋下部が働きにくくなる → 股関節の安定が低下
→ 大腿骨の回旋がコントロールできない
→ 膝の回旋軸が乱れる
→ 膝周囲が余計に頑張る
→ 前もも・内ももの過労
→ 膝前面や内側の痛みにつながることがある

膝の痛みが膝そのものに原因があるとは限らず、
股関節や骨盤の使い方に起因するケースは多く見られます。

■ 3. さぼり筋・過労筋の関係(殿筋下部の“さぼり”は起こりやすい)

臨床でよく使う柔らかい表現として、

  • さぼり筋(本来使いたいが使えていない筋)

  • 過労筋(代わりに頑張りすぎて疲れている筋)
    があります。

殿筋下部は、さぼり筋になりやすい筋の代表格です。

▼ 殿筋下部がさぼると…

  • 大腿前面(大腿四頭筋)が過労しやすい

  • 内もも(内転筋)が硬くなりやすい

  • ハムストリングスが過剰に働く

  • 腰で反ったり丸めたりの姿勢が増える

結果的に膝関節に負担が集中しやすくなる構造があります。

■ 4. 相反神経抑制:過労筋をゆるめると、さぼり筋が使いやすくなる理由

筋肉は、拮抗する筋が働く時に反対側の筋肉がゆるむ「相反神経抑制」という仕組みがあります。

▼ 例

  • 太もも前が過緊張すると、殿筋下部が活動しにくい

  • 内ももが硬いと、外側の殿筋群が働きづらい

  • ハムストリングスがガチガチだと、股関節の伸展がやりにくい

つまり、過労筋をゆるめる → 殿筋下部が使いやすくなる
という流れが自然と起こります。

浦和ななつほし整体院では、
この筋の“関係性”を踏まえて施術や動作指導を行うことを大切にしています。

■ 5. 運動連鎖と姿勢:殿筋下部は全身の動きに影響する

身体の動作は、
骨盤 → 股関節 → 膝 → 足首
という流れで連鎖しています。

殿筋下部がうまく働かないと、この連鎖が崩れます。

▼ 姿勢への影響

  • 骨盤が後傾しやすい

  • 股関節が内巻きになりやすい

  • 膝が内側に入りやすい

  • 重心が前がかりになる

  • 太もも前ばかり使う姿勢になる

姿勢が崩れると、膝の関節面にかかる負担や筋活動の偏りが増し、
日常動作でも疲れやすくなることがあります。

■ 6.殿筋下部セルフケア

※強い痛み、腫れ、熱感、しびれなどがある場合は、医療機関へご相談ください。

◆ ① 過労筋をゆるめる(殿筋下部を使いやすくする準備)

● 太もも前(大腿四頭筋)の軽いマッサージ

座って太もも前を軽くさする。
“強く押す”のではなく、軽いストロークでOK。
1分程度。

● 内ももの軽いストレッチ

椅子に座り、脚を少し開いて前屈するように傾ける。
30秒ほど、痛みのない範囲で。

◆ ② 殿筋下部を“起こす”エクササイズ(活性化)

● サイドレッグバック

横向きになり、上側の脚を後ろ斜めに伸ばす。
10回。
腰ではなく股関節を後ろに引く意識で。

● かんたんヒップヒンジ

立ったまま軽く膝を曲げ、
“お辞儀”のように骨盤を後ろに引き、
お尻の下に軽く力が入るのを感じる。

5〜10回。

◆ ③ 膝と股関節の連動づくり

● その場での軽いスクワット

  • 膝を前に出しすぎない

  • お尻を後ろに引く

  • 足裏全体で床を感じる
    これを意識しながら、浅いスクワットを5〜10回。

殿筋下部が作用すると、膝が軽く感じられることがあります。

■ 7. 浦和ななつほし整体院のアプローチ

浦和ななつほし整体院では、
施術者だけが一方的に何かをするのではなく、

「施術者とクライアントが一緒に身体の改善を目指す」
というスタンスを大切にしています。

▼ アプローチの流れ

  1. 動きの評価
    歩行・立ち方・座り方などを観察し、
    どの筋が過労でどの筋がさぼりやすいか整理します。

  2. 過労筋への優しいアプローチ
    強刺激ではなく、身体が安心できるやわらかな刺激で可動域を引き出します。

  3. さぼり筋(殿筋下部など)の再教育
    負荷の少ない動きで「使える感覚」を取り戻します。

  4. 運動連鎖と姿勢のバランス調整
    股関節・膝・足の動きが自然につながるようにサポートします。

  5. セルフケアの共有
    自宅でできる簡単なケアを一緒に確認し、
    長期的に自立した身体づくりを目指していただきます。

▼ 「卒業できる整体」を目指す理由

クライアント自身が、
自分の身体の扱い方を理解し、
必要以上に施術に依存しない状態を目指すことを大切にしています。

■ 8. まとめ

殿筋下部や股関節まわりの使い方に不安があったり、
膝の動きが気になる場合は、
一度お話を伺うことで、お身体の状態を一緒に整理できることがあります。

「セルフケアの方向性を知りたい」
「動作のクセを確認したい」
といったご相談からでもお気軽にご利用いただけます。

無理のない範囲で、快適に動ける身体づくりを一緒に目指していきましょう。

症状について詳しくはこちら

【さいたま市浦和】膝の痛みでお悩みの方へ|ななつほし整体院が伝える「運動連鎖で整える」膝痛改善法

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