【小円筋が五十肩に及ぼす影響】 〜肩の“奥の硬さ”が動きを止める〜

はじめに

「腕を後ろに回すと痛い」「肩を外にひねる動きがつらい」「夜寝ると肩がズキズキする」
そんな五十肩(肩関節周囲炎)の症状。

原因はひとつではありませんが、その中でも見落とされがちなのが、**小円筋(しょうえんきん)**の影響です。

この筋肉は肩の奥深くにあるため、コリや緊張を感じにくいものの、
実は肩関節の動きを大きく制限し、痛みの慢性化や可動域低下に関わっています。

「マッサージしても改善しない」「ストレッチしても動かない」という方は、
もしかすると小円筋が“鍵”になっているかもしれません。


小円筋とは?

小円筋は、肩甲骨の外側縁(わきの下の骨の端)から上腕骨の後方に付着する筋肉で、
**回旋筋腱板(ローテーターカフ)**の一つです。

主な働きは以下の2つ。

  1. 肩関節の外旋(腕を外にひねる)

  2. 上腕骨の安定化(骨頭が前にずれないよう押さえる)

小円筋は棘下筋とペアで働き、
腕を動かすときに上腕骨を関節窩(かんせつか)に押し付け、スムーズな動作を作り出します。

この小さな筋肉が働かなくなると、
肩関節は“遊び”を失い、動かすたびに関節包や腱板に摩擦が起こるようになります。
それが炎症や癒着、いわゆる「五十肩」の根本原因となるのです。

小円筋が五十肩に関与する3つのメカニズム

① 肩の外旋制限と結帯動作(うしろ手動作)の痛み

五十肩でよくある「後ろに手が回らない」という症状。
これは小円筋が硬くなることで、肩の外旋可動域が失われている状態です。

腕を後ろに回す動作(例:エプロンを結ぶ・背中をかく・服を着る)は、
外旋と伸展の組み合わせで行われます。

小円筋が縮こまると、後方で肩関節を引っ張り、
その動きを止めてしまうのです。

また、肩を前に巻き込むような姿勢(猫背・スマホ姿勢)が続くと、
小円筋が常に短縮位で固まりやすく、動かそうとしたときに強い抵抗が生じます。


棘下筋との連動不全

小円筋は棘下筋とともに肩の外旋を担います。
しかし、五十肩の方では、棘下筋が過緊張し、小円筋が神経的に抑制(働きにくくなる)されているケースが多く見られます。

これを相反神経抑制と呼びます。

棘下筋が働きすぎ → 小円筋が働けない
結果、関節の動きに偏りが生まれ、

  • 関節包の後方が引きつる

  • 動かすたびに痛みが出る

  • 肩甲骨の動きがぎこちなくなる

といった悪循環に陥ります。

つまり、小円筋は「サボり筋」になっており、
一方の棘下筋や大胸筋などが「過労筋」として肩の動きを不自然にしています。


関節包の癒着と夜間痛

小円筋は関節包と密接に関わっています。
硬くなると関節包を後方から引っ張り、動かすたびに包を刺激。
この慢性的な摩擦が炎症を悪化させ、**夜間痛(寝ているとズキズキする痛み)**を誘発します。

さらに、筋膜を通じて棘下筋・三角筋・広背筋ともつながっているため、
小円筋が硬いだけで肩全体が「板のように固まる」こともあります。

五十肩の後期(拘縮期)に動かしてもなかなか可動域が戻らないのは、
この深層の筋膜の癒着が残っていることが多いのです。

小円筋の硬さが起こす全身への影響

肩だけでなく、小円筋の硬さは全身にも影響を与えます。

影響部位 症状例
首・肩 首の後ろの張り、肩こり、頭痛
胸・前肩 巻き肩、呼吸の浅さ
背中 肩甲骨の可動制限、猫背姿勢
外旋できず、手の動作に制限が出る

特にデスクワークの方は、
小円筋が縮み、肩甲骨が外に開いたまま固まりやすく、
結果的に姿勢の悪化 → 肩痛 → 動作制限、という“連鎖的トラブル”に発展します。

小円筋を整えることで得られる変化

小円筋の柔軟性と収縮力が戻ると、

  • 肩がスッと後ろに引ける

  • 背中の筋肉が動きやすくなる

  • 夜間痛が軽減

  • 姿勢が自然にまっすぐになる

という変化が見られます。

また、棘下筋・肩甲下筋・大胸筋などのバランスも整い、
肩関節が本来の動きを取り戻すことが可能になります。

ななつほし整体院のアプローチ

ななつほし整体院では、五十肩の施術において
小円筋を含む深層筋の“神経・筋膜・動作”の三方向から整えるアプローチを行います。

施術ステップ

  1. 肩甲骨と上腕骨の位置関係を評価
     → 小円筋の硬さ、関節包の引き込み、動作パターンを分析。

  2. 過労筋のリリース
     → 棘下筋や大胸筋など、小円筋を抑制している筋をゆるめる。

  3. 小円筋への深層アプローチ
     → 筋膜リリース・関節包リリースで後方の癒着を丁寧に解除。

  4. 神経的再教育
     → 小円筋が再び働けるよう、軽い外旋運動や呼吸連動を使った再学習。

  5. 肩甲骨・体幹の運動連鎖の再構築
     → 肩だけでなく、背骨・肋骨・骨盤の連動を回復させる。

改善の目安

  • 初期(痛みが強い・動かせない):週1回

  • 改善期(動きが出てくる時期):2週に1回

  • 維持期(再発予防・姿勢安定):月1回

多くの方が4〜6回ほどで「夜間痛が軽減」「腕が上がるようになった」と変化を感じ始めます。
また、施術と併せて「肩甲骨の動かし方」「胸を開く呼吸」など、
自宅でできるセルフケアもお伝えしています。

まとめ

小円筋は小さな筋肉ですが、肩関節の後方安定を担う“要”の存在です。

  • 小円筋の短縮 → 肩の外旋制限・結帯動作の痛み

  • 棘下筋との連動不全 → 動作異常と関節ストレス

  • 関節包との癒着 → 夜間痛・慢性炎症

つまり、五十肩を根本から改善するためには、小円筋の状態を無視できないのです。

ご予約・お問い合わせ

「腕を後ろに回せない」
「肩を外にひねると痛い」
「寝ると肩がズキズキする」

そんな症状がある方は、
ぜひ一度、ななつほし整体院へご相談ください。

🔹 肩の深層筋に特化した施術
🔹 炎症を悪化させない安全なアプローチ
🔹 再発を防ぐセルフケアまで丁寧に指導

小さな筋肉“小円筋”を整えることで、
あなたの肩がもう一度、軽やかに動くようになります。
「肩の痛みから解放されたい」方は、ぜひ一度ご体験ください。

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浦和整体院 ななつほし

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