はじめに:膝の痛みの本当の原因を探る
「階段を降りると膝の前が痛い」「歩いていると膝が重く感じる」「立ち上がるときにズキッとする」
そんな膝の痛み、実は膝そのものに問題があるとは限りません。
膝は、股関節と足首の間にある“中間関節”。
つまり、股関節や足首の動きが制限されると、その代償として膝が過剰に動かされ、結果として痛みを感じやすくなるのです。
特に見逃されがちなのが、股関節の伸展制限。
「脚を後ろに引く動き(=伸展)」がうまくできないと、膝や腰への負担が大きくなり、慢性的な膝痛につながることがあります。
この記事では、股関節の伸展制限がどのように膝の痛みに影響するのかを、
リハビリ・運動学・神経生理学の観点からわかりやすく解説します。
また、浦和ななつほし整体院で大切にしている「過労筋とさぼり筋のバランス」「相反神経抑制」「運動連鎖」「姿勢との関係」などを踏まえ、具体的なストレッチとエクササイズも紹介します。
			
						
		
				
股関節伸展とは?そしてなぜ重要なのか
股関節の“伸展”とは、太ももを後方へ引く動作を指します。
歩行・立ち上がり・階段・ランニングなど、日常のあらゆる動作でこの伸展が必要です。
主に働く筋肉は以下の通りです:
- 大殿筋(だいでんきん):股関節伸展の主動筋
 - ハムストリングス:太ももの裏側にある補助筋
 - 腸腰筋(ちょうようきん):股関節の屈筋であり、伸展に拮抗
 
もし股関節が十分に伸びない(伸展制限がある)状態では、歩くときに後ろ脚が伸びきらず、骨盤が前傾して腰が反るような姿勢になります。
この“代償動作”が膝の痛みにつながる重要な要因となります。
			
						
		
				
股関節伸展制限が膝痛を引き起こすメカニズム
① 骨盤の前傾と大腿骨のねじれ
股関節の伸展が制限されると、骨盤が過度に前傾し、
それに伴って大腿骨(太ももの骨)が**内旋(内側にねじれる)**傾向になります。
結果として膝蓋骨(膝のお皿)が外側に引っ張られ、
「膝蓋大腿関節の圧迫」や「軟骨へのストレス」が増加。
これが、いわゆるランナー膝(腸脛靭帯炎)や膝蓋軟骨症の一因とされています。
			
						
		
				
② ハムストリングスの過剰緊張と膝の伸展制限
股関節の伸展が制限されていると、歩行中にハムストリングスが常に引き伸ばされた状態で働くため、
過労状態になりやすく、結果的に膝の伸展(膝をまっすぐにする動き)まで妨げます。
この状態では、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)に負担がかかりやすく、膝蓋腱周囲の痛みや炎症を誘発しやすくなります。
			
						
		
				
③ 大殿筋が働かない「さぼり筋」現象
本来、歩行や立ち上がりで主役になるはずの大殿筋が十分に働かない場合、
代わりにハムストリングスや腰の筋肉(脊柱起立筋など)が“がんばりすぎ”ます。
これが過労筋とさぼり筋のアンバランスです。
特定の筋肉が常に頑張り続けると、動作全体のリズムが崩れ、膝や腰に負担が集中します。
			
						
		
				
④ 相反神経抑制の乱れ
筋肉は拮抗するペアで動作をコントロールします。
たとえば「股関節を伸ばす」大殿筋と、「曲げる」腸腰筋は拮抗関係にあります。
しかし腸腰筋が過度に緊張していると、神経的な反射作用(相反神経抑制)によって大殿筋が働きづらくなります。
結果として、股関節は伸びず、膝が代償して伸展しようとし、関節ストレスが集中します。
この悪循環を断ち切るためには、過労筋(腸腰筋など)をゆるめ、さぼり筋(大殿筋)を活性化する必要があります。
			
						
		
				
⑤ 運動連鎖と姿勢の崩れ
股関節が伸びないと、骨盤が前傾 → 背骨が反る → 頭が前に出る、という「姿勢の連鎖反応」が起こります。
この状態では、膝が常に軽く曲がった姿勢で固定されやすく、
立っているだけでも膝周囲の筋肉が休めません。
つまり、股関節伸展の可動域低下は、姿勢そのものを変え、
膝への慢性的な負担を生み出してしまうのです。
対策の基本方針
〜過労筋をゆるめ、さぼり筋を使いやすく〜
浦和ななつほし整体院では、膝の痛みを「膝単体の問題」としてではなく、
股関節・骨盤・体幹を含めた全身のバランスの問題としてとらえています。
特に重要なのが、以下の流れです。
- 過労筋(腸腰筋・大腿直筋・ハムストリングス)の緊張を緩める
 - 関節可動域を改善し、さぼり筋(大殿筋・中殿筋)を使いやすくする
 - 運動連鎖を再教育して、自然な姿勢と歩行を取り戻す
 
これにより、膝へのストレスを軽減し、再発しにくい身体づくりを目指します。
			
						
		
				
ストレッチとエクササイズの実践例
以下の5種類のエクササイズは、
「過労筋を緩めて可動域を広げ、さぼり筋を活性化させる」ことを目的としています。
いずれも痛みのない範囲で行いましょう。
① 腸腰筋ストレッチ(股関節の前側をゆるめる)
目的:股関節伸展を妨げる主要な過労筋を緩める。
方法:
- 片膝立ち(ランジの姿勢)になる。
 - 背中をまっすぐに保ち、骨盤を前にスライド。
 - 後ろ脚の付け根の前側が伸びる位置で20〜30秒キープ。
 - 左右2〜3回ずつ。
 
ポイント:腰を反らせず、骨盤ごと前へ移動する意識で行う。
② 大腿直筋ストレッチ(ももの前側を緩める)
目的:骨盤前傾を助長する筋をゆるめ、股関節伸展を出しやすく。
方法:
- 立位で片足を後方に引き、手で足首をつかむ。
 - 膝を曲げ、太ももの前側が伸びる感覚を意識。
 - 20〜30秒保持。
 
ポイント:骨盤を前に押し出さず、体幹を安定させて行う。
③ 大殿筋アクティベーション(さぼり筋を活性化)
目的:股関節伸展の主動筋である大殿筋を再教育。
方法(ヒップリフト):
- 仰向けで膝を立てる。
 - お尻をゆっくり持ち上げ、肩から膝まで一直線に。
 - 5秒キープ×10回。
 
ポイント:ももの裏ではなく、お尻の筋肉で支える感覚を重視。
④ 中殿筋エクササイズ(骨盤の安定性向上)
目的:骨盤の左右バランスを整え、膝のねじれ負担を軽減。
方法(サイドレッグレイズ):
- 横向きで寝て、上側の脚をゆっくり持ち上げる。
 - 骨盤を動かさずに10〜15回×2セット。
 
ポイント:上げる高さよりも「お尻の横」を使っている感覚が大切。
⑤ ハムストリングスの協調運動(連動性の再教育)
目的:大殿筋とハムストリングスのタイミングを整える。
方法(ブリッジ+脚上げ):
- ヒップリフト姿勢から片足をゆっくり持ち上げる。
 - 骨盤が傾かないように5秒キープ。
 - 左右5回ずつ。
 
ポイント:体幹を安定させ、下ろすときもコントロールする。
⑥ 骨盤後傾エクササイズ(姿勢改善)
目的:骨盤前傾姿勢を修正し、股関節の伸展を導く。
方法:
- 仰向けで膝を立てる。
 - 骨盤を軽く後ろに傾け、腰の隙間を埋める。
 - 5秒キープ×10回。
 
これにより、股関節・骨盤・膝の協調的な動作がしやすくなります。
姿勢・運動連鎖からみる再発予防
ストレッチや筋トレだけではなく、「日常姿勢」そのものの意識も欠かせません。
- 長時間の座位 → 腸腰筋短縮 → 股関節伸展制限
 - 片脚重心立ち → 骨盤の歪み → 膝内側ストレス
 - 猫背+骨盤前傾 → 大殿筋抑制 → ハムストリングス過労
 
これらの習慣を見直すことが、再発防止の鍵です。
浦和ななつほし整体院のアプローチ
ななつほし整体院では、膝の痛みを「局所ではなく全身の動きの結果」として捉え、
関節可動域・筋の協調・神経反射・姿勢制御の4つを柱にサポートしています。
- 過労筋をゆるめて可動性を取り戻す
 - 相反神経抑制を利用し、さぼり筋を活性化
 - 運動連鎖を再教育し、自然な歩行・姿勢を取り戻す
 - クライアントと施術者が二人三脚で「卒業」を目指す
 
私たちは“治す”のではなく、
「あなた自身の体が変わる力」を引き出すサポートを大切にしています。
まとめ:股関節の伸展が変わると膝が変わる
股関節の伸展制限は、膝への負担、姿勢の乱れ、動作の非効率など、
身体全体に波及する問題です。
過労筋を緩め、関節の可動域を回復させ、
さぼり筋を活性化することで、膝のストレスは自然と軽減されていきます。
浦和ななつほし整体院では、
施術者とクライアントが一緒に身体を理解し、
「卒業できる整体」を目指して歩んでいきます。
症状について詳しくはこちら
【さいたま市浦和】膝の痛みでお悩みの方へ|ななつほし整体院が伝える「運動連鎖で整える」膝痛改善法
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