執筆・監修: 浦和ななつほし整体院 院長 柔道整復師・はり師・きゅう師 佐伯亨介
1. なぜ親指・手首の付け根がズキズキ痛むのか?
親指を大きく開く、スマートフォンの画面を親指1本でフリックする、フライパンや急須を持つ、赤ちゃんの頭を手のひらで支えて抱っこする――こうした日常動作の瞬間に、手首の親指側の骨の出っ張り(橈骨茎状突起部)に鋭い痛みが走るのが「ドケルバン病」の特徴です。
親指の付け根には、腱が浮き上がらないように押さえる「腱鞘(けんしょう)」というトンネルが存在します。
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短母指伸筋腱(たんぼししんきんけん): 親指の第2関節を伸ばす腱
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長母指外転筋腱(ちょうぼしがいてんきんけん): 親指を外側に広げる腱
指や手首を酷使することで腱と腱鞘が擦れ合い、炎症によって腱鞘が分厚く肥厚します。その結果、トンネルが狭くなり、腱の滑膜が締め付けられて激痛が生じます。特に女性ホルモンの変化が影響する産前・産後や更年期の女性、長時間のキーボード・マウス操作を行うデスクワーカーに好発します。
2. 運動連鎖の視点:手首の摩擦を生む「前腕と肩甲骨の歪み」
湿布を貼ったり安静用のサポーターを巻いても痛みがなかなか引かない、あるいは一度良くなってもすぐ再発してしまう場合、「腱がトンネルを通る軌道(アライメント)が曲がっている」可能性が極めて高いです。
手首の関節は、単独で動いているわけではありません。
| 部位 | 本来の機能 | 機能低下時に手首・親指へ起きるストレス |
| 肩甲骨・胸郭 | 腕全体の土台となり、引く・支える力を背中で分担する | 巻き肩になると腕全体が内旋(内側にねじれ)し、手首の角度が不自然に傾く |
| 前腕(橈骨・尺骨) | 2本の骨が平行・交差して手首の回旋を滑らかにする | 前腕の筋膜が硬直すると手根骨がずれ、腱がトンネルの壁に斜めに擦れ続ける |
| 手根骨(手首の小骨) | 8つの骨がアーチ構造を作り、腱の通り道を確保する | 手根骨のアーチが潰れることで腱鞘内の内圧が上昇し、摩擦が数倍に跳ね上がる |
ワイヤーが滑車にまっすぐ通っていれば摩耗しませんが、土台の歪みによってワイヤーが斜めに引っ張られていれば、わずかな動作でも擦れ合って断裂や炎症を引き起こします。
3. よくあるご質問
Q1. 自分がドケルバン病(腱鞘炎)かどうか確かめるセルフチェックはありますか?
A. 「フィンケルシュタインテスト」で確認できます。親指を他の4本の指の内側に巻き込むようにして握り拳を作り、その状態のまま手首を小指側(下方向)へゆっくり倒します。このとき、手首の親指側に強い痛みが走る場合はドケルバン病の疑いが強い状態です(※無理に強く曲げないでください)。
Q2. ステロイド注射を勧められましたが、何度も打って大丈夫ですか?
A. 激しい炎症で眠れない・育児や仕事に著しい支障がある場合の応急処置としては効果的です。ただし、ステロイドの頻回投与は腱の変性や断裂リスクを高める恐れがあります。痛みを抑えている間に、前腕や手根骨のアライメントを整え、摩擦を起こしている根本原因を解消しておくことが重要です。
Q3. 手首の施術は痛くありませんか?どのようなアプローチを行いますか?
A. 炎症を起こして腫れている腱鞘を強く揉むような施術は一切行いません。柔道整復師・鍼灸師の知見に基づき、前腕の緊張を解き、潰れてしまった手根骨のアーチと肩甲骨の連動性を整えることで、腱がスムーズに動く「トンネル内のゆとり」を優しく復元します。
4. 日常でできる:手首の摩擦を減らすセルフケア・動作の注意点
腱鞘炎を悪化させないための日常のポイントです。
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スマートフォンの両手持ち・指の変更
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片手持ちで親指だけで画面全域を操作する動作は、腱に最大の牽引ストレスをかけます。反対の手で端末を保持し、人差し指でタップ・スクロールする習慣をつけます。
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赤ちゃんの抱っこ時は「手首を曲げず、前腕全体で支える」
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手首を直角に曲げて手のひらだけで頭やお尻を支えると手首に全荷重がかかります。脇を締め、前腕から肘の内側に乗せるようにして体幹全体で抱えます。
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前腕内側の脱力緩め
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痛む手首ではなく、肘に近い「前腕の内側・外側の筋肉の膨らみ」を反対側の指で優しく挟み、深呼吸しながら軽く揺らして緊張を解きます。
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5. 浦和で手首・親指の痛みに悩む方へ
ペットボトルのフタが開けられない、子どもを抱っこするのが苦痛、パソコン作業で手首がズキズキ痛む――手首や指は1日に何千回と使うため、安静にしようと思っても休ませることが最も難しい部位です。
「使いすぎだから仕方がない」「サポーターで我慢するしかない」と諦めず、腱に負担をかけている腕全体の構造を見直してみませんか。浦和ななつほし整体院では、柔道整復師・鍼灸師の医学的視点から、手首の腱に摩擦を起こしている前腕や肩甲骨のねじれを的確に見極め、痛みを繰り返さない身体づくりをお手伝いします。






