「膝の内側がズキッと痛む」「階段を上がると膝の下が刺すように痛い」「走ると膝の内側がズキズキ」──
それは**鵞足炎（がそくえん）**の典型的な症状です。

浦和の「ななつほし整体院」では、解剖学・運動学に基づいた整体理論で、膝の痛みを根本から改善する施術を行っています。
長年の臨床経験をもとに、痛みの“本当の原因”を見極め、ただほぐすのではなく「再発しない身体づくり」を目指しています。

今回は、整形外科的な視点だけでなく、当院が重視する**筋肉バランス・神経反射・運動連鎖（からだ全体のつながり）**から、鵞足炎の原因と改善方法を詳しくお伝えします。

🔹鵞足炎とは？──膝の内側にある「3本の筋肉の合流点」の炎症

「鵞足（がそく）」とは、膝の内側下部（脛骨の内側）にある筋肉の腱が合流する部分のことです。
その形がガチョウの足に似ていることから、この名前がつきました。

鵞足を構成する3つの筋肉は次の通りです。

この3本が脛骨内側で合流し、膝の屈曲や安定化を助けています。
鵞足炎は、この部分に摩擦や牽引のストレスが繰り返し加わり、腱や滑液包が炎症を起こすことで発生します。

🔹鵞足炎の症状

鵞足炎の典型的な症状は、膝の内側下部の痛みです。
次のようなサインがあれば注意が必要です。

• 膝の内側を押すとピンポイントで痛い

• 階段の昇り降りでズキッとする

• ランニング後に膝内側が熱っぽい

• 正座やしゃがみ込みで痛みが強くなる

• 朝起きたときや動き出しで膝がこわばる

• 痛みがひどくなると、歩行中にもズキズキする

痛む場所は、関節裂隙（関節のすきま）よりもやや下、すねの内側です。
腫れや熱感を伴う場合は、滑液包に炎症が及んでいることもあります。

🔹鵞足炎の原因：なぜ膝の内側に負担が集中するのか？

一般的には「使いすぎ」「オーバーユース」が原因といわれますが、実際には単なる使いすぎではありません。
**からだのバランスの崩れ（筋機能のアンバランス・運動連鎖の乱れ）**が、根本原因です。

① アライメントの崩れ

• X脚（膝外反）：膝の内側が常に引き伸ばされる

• 扁平足・過回内足：足首の内倒れで下腿が内旋し、鵞足部がねじれる

• 骨盤の前傾・股関節内旋：太もも裏の筋が引っ張られ、膝の内側に過負荷

② 筋バランスの崩れ（さぼり筋と過労筋）

人の体は、ある筋肉が働かないと、別の筋肉が代わりに頑張ってしまいます。
これを筋代償といい、これが続くと「過労筋」と「さぼり筋」が生まれます。

🔹過労筋とさぼり筋──鵞足炎の根本的な背景

鵞足炎で炎症を起こしているのは、実は“働きすぎてしまった筋肉”です。
その背後には、「働けなくなった筋肉＝さぼり筋」が存在します。

▪️大殿筋が働かないと…

股関節の伸展・外旋がうまくできず、代わりにハムストリング（特に半腱様筋）が頑張りすぎます。
その結果、膝内側（鵞足）に牽引ストレスが集中。

▪️中殿筋が働かないと…

片脚立ちや歩行時に骨盤が傾き、膝が内側に倒れます（動的外反）。
これにより、鵞足部が常に引き伸ばされて炎症が悪化。

▪️内転筋が働かないと…

内ももが弱くなり、薄筋が代わりに働きすぎて硬直。
この「さぼり筋と過労筋」の関係が、鵞足炎を慢性化させる最大の要因です。

🔹相反神経抑制とは？──鵞足炎を悪化させる神経反射の罠

「相反神経抑制」とは、主動筋が働くと拮抗筋が自動的に抑制されるという神経反射です。
この反射が適切に働けばスムーズな動作が可能ですが、姿勢や動作の偏りによって誤作動を起こすと、「本来働くべき筋が働かない」状態になります。

▪️例：大殿筋が抑制 → 鵞足筋が過剰活動

• 大殿筋（股関節伸展の主動筋）が抑制される

• 拮抗筋であるハムストリング（半腱様筋）が過活動

• 結果、鵞足部への牽引が増え炎症が悪化

このように、神経の抑制・代償パターンが慢性炎症を引き起こすのです。
痛みを取るだけではなく、神経反射レベルから正常化するアプローチが必要です。

🔹運動連鎖からみた鵞足炎──膝は「被害者」

鵞足炎は膝の病気と思われがちですが、実際には「膝は被害者」であり、原因は足首や骨盤など離れた部位にあります。

下肢運動連鎖の典型的な流れ

このように、足→膝→骨盤の連動が崩れることで、鵞足部に負担が集中します。
膝だけを施術しても再発するのはこのためです。

🔹整体での改善アプローチ

ななつほし整体院では、鵞足炎を**「膝の炎症」ではなく「全身の機能異常」**としてとらえています。
そのため、痛みのある膝だけでなく、股関節・骨盤・足首を含めたトータルバランスを整えることを重視します。

① 炎症期のケア

• 冷却や軽い圧迫で炎症を鎮める

• 鵞足部の強い揉みほぐしは避け、微弱電流や軽いポンピングで循環促進

② 鵞足筋群のリリース

• 薄筋・縫工筋・半腱様筋の停止部を優しく緩める

• ハムストリングス全体の滑走性を改善し、摩擦を減らす

③ さぼり筋の再教育

• 大殿筋エクササイズ：ヒップリフト、スクワット姿勢での殿筋活性

• 中殿筋トレーニング：側方歩行や片脚立ちバランス

• 内転筋トレーニング：ボール挟み運動、内ももスクイーズ

• 腸腰筋の活性：ニーアップ、体幹安定運動

④ 運動連鎖の再構築

• 足部アーチ～骨盤の協調を回復

• 正しい膝の軌道（つま先方向に動くトラッキング）を習得

• 歩行・階段動作・しゃがみ動作を再教育

🔹姿勢タイプ別の特徴と改善ポイント

🔹セルフケア・予防のポイント

✅ 大殿筋・中殿筋を目覚めさせる

• ヒップリフト（お尻をしっかり締める意識）

• 横向きクラムシェルで骨盤の安定性を高める

✅ 足裏アーチを保つ

• タオルギャザー、裸足での足指トレーニング

✅ ストレッチより姿勢安定を優先

• 痛みがある時期は、無理な内ももストレッチは逆効果

• 股関節や骨盤の正しい位置を保つことを意識

✅ ランニング・運動再開は段階的に

• 痛みが消えても、すぐに全力で再開しない

• 下半身の安定を確認してから徐々に負荷を戻す

🔹まとめ｜膝だけでなく“全身の使い方”を整えよう

鵞足炎は、膝の内側で炎症が起きている「結果」であり、原因はもっと上流──股関節・骨盤・足部の機能異常にあります。

• さぼり筋（大殿筋・中殿筋・内転筋）が働かない

• 過労筋（鵞足筋群）が代わりに頑張りすぎる

• 相反神経抑制による誤作動が慢性化を招く

これらを的確に見極め、全身の筋機能と運動連鎖を整えることが、根本改善への最短ルートです。

「膝の痛みがなかなか良くならない」「整形外科では異常なしと言われた」という方は、
一度、筋肉と神経の使い方から見直してみましょう。

🔹ななつほし整体院の鵞足炎アプローチ

当院では、

• 鵞足炎の原因となる「さぼり筋」「過労筋」を正確に見極め、

• 相反神経抑制をリセットし、

• 再発しない体の使い方を習得できるよう導きます。

痛みを抑えるだけでなく、**「再発しない体のバランス」**をつくることが目的です。

「もう膝の内側の痛みに悩まされたくない」
そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。