椎間関節とは?
人間の背骨は、頚部・胸部・腰部の3つのパートに分けることができます.
それぞれのパートが脊椎という骨で構成されています。
脊椎は全部で24個あり(頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個)、横から見るとSの字のような曲線を描きます。
この脊椎を上下で連結しているのが、左右の椎間関節と呼ばれる関節と椎間板です。
腕を伸ばしたり、膝を曲げたりする身体の運動は、骨と骨の間にある関節の働きで起こります。
腰椎の椎間関節は、腰の曲げ伸ばしなどの動作時に働く関節です。
椎間関節性腰痛は,この椎間関節が原因で起こる腰痛のことです.
急性椎間関節性腰痛
よくぎっくり腰と言われるものの一つです。
腰を強くひねったり、重いものを勢いよく持ち上げようとして腰椎椎間関節に急激に強い負荷をかけたため、関節包や靭帯が引き延ばされて捻挫を起こしたものです。
激しい痛みのため、動作が非常に困難になります。
慢性椎間関節性腰痛
反り腰や猫背などの不良姿勢による持続的な負荷や、椎間関節の前方にある椎間板の加齢性の変性による形状の変化により、椎間関節にかかる負担が増し炎症を起こしたものです。
症状
急性椎間関節性腰痛
急性椎間関節性腰痛はぎっくり腰の代表的な病態の一つです。
- 主に片側性の腰の激しい痛み
- 腰の下部に好発する
- 背骨の出っ張ったところ(棘突起)から2,3センチ外側の圧痛(椎間関節部)
- 腰を反らせたり、後方に振り替える動作で疼痛が増強する
- 殿部(おしり)や大腿外側(ももの外側)にも痛みが走る場合がある
慢性椎間関節性腰痛
- 腰の下のほうの痛み
- 大腿外側の疼痛・しびれ
- 腰を反らせると痛む
- 腰を左右にねじるとねじる方向と逆の椎間関節部に痛みが出る
整形外科での処置
検査
- X線、MRIともに画像による診断はできない。
処置
急性椎間関節性腰痛
- 消炎鎮痛薬(ロキソニン・ボルタレンなど)の投与や湿布が行われる。
- アイシングなどの物理療法
- 腰部バンドなどの外固定
- 痛みの強さや医師の判断により局所注射がおこなわれることもある。
慢性椎間関節性腰痛
- 温熱療法などの物理療法
- 腰部バンドなどの外固定
- 椎間関節ブロック注射
- 筋弛緩薬や鎮痛剤などの投与
ななつほしでの施術
急性椎間関節性腰痛
ぎっくり腰の患者様には多く見られる疾患です。
圧痛点が椎間関節部に出るため、触診と症状によって判断していきます。
痛みを避けるため疼痛回避姿位と言われる特有の姿勢を取りますが、早期に痛みをとって正常な姿勢に戻さないとクセがついて繰り返すことにもなりかねません。
椎間関節をかばうために下肢や体幹部の筋肉が過緊張を起こしているため、足のつま先から矯正していきます。
抹消から処置していくことで、取りやすいところから筋肉の緊張が抜けていきます。
過度な筋肉の防御態勢のために動けなくなった椎間関節を、その時点で最善の状態を目指して調整します。
季節の変わり目などにはぎっくり腰の患者様が多く、椎間関節性腰痛の治療は最も得意な疾患の一つです。
慢性椎間関節性腰痛
上記処置に準じますが、長期にわたって悩まれている方は姿勢を改善するように処置していきます。
椎間関節をかばおうと周りの筋肉の緊張により、姿勢も崩れているためです。
整体によりポイントとなる関節の可動域をひろげて、支えとなる筋肉に刺激を与えてバランスを整えます。
簡単なセルフケアやエクササイズをお伝えしていきますので、二人三脚で改善を目指します。